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オルテンシア【紫陽花】~檻の中の花嫁~
第3章 ☆♯01 SceneⅠ(紫陽花の庭)☆
今度は、美月が口角を笑みの形に象る番だった。
「四代続いた老舗にして名家の〝K&G〟ホールディングスのお歴々―、つまりは、社長のお父さまや叔父さま方がそのような良い加減な結婚でご満足なさるのでしょうか? 後継者問題はいずれ再浮上するでしょう」
「後継者―、君が言っているのは僕の子どものことか? だとすれば、それは差し出た質問と言うべきだな。形式上の妻にしかすぎない君が僕の閨房のことにまで気を回す必要はない」
「四代続いた老舗にして名家の〝K&G〟ホールディングスのお歴々―、つまりは、社長のお父さまや叔父さま方がそのような良い加減な結婚でご満足なさるのでしょうか? 後継者問題はいずれ再浮上するでしょう」
「後継者―、君が言っているのは僕の子どものことか? だとすれば、それは差し出た質問と言うべきだな。形式上の妻にしかすぎない君が僕の閨房のことにまで気を回す必要はない」