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オルテンシア【紫陽花】~檻の中の花嫁~
第4章 02 SceneⅡ(ジューン・ブライド)
大きく変わったのが、勤めに出なくなったことだろう。夫となった晃司が帰ってくることは殆どなかった。たまに深夜にふらりと思い出したように帰ってきても、朝にはまた、慌ただしく出社してゆく。朝食どころか、コーヒー一杯呑むことはなかった。
晃司は、駅前のマンションにも部屋を持っているらしい。普段は大抵、そちらで起居しているのだ。だから結婚したと言っても、それは殆ど〝別居婚〟のようなもので、すべては〝契約〟どおりに進んでいるといって良かった。
晃司は、駅前のマンションにも部屋を持っているらしい。普段は大抵、そちらで起居しているのだ。だから結婚したと言っても、それは殆ど〝別居婚〟のようなもので、すべては〝契約〟どおりに進んでいるといって良かった。