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オルテンシア【紫陽花】~檻の中の花嫁~
第4章 02 SceneⅡ(ジューン・ブライド)
美月の生活のすべてが〝五年後〟を考えて動いていた。契約が終了し、晴れて一人に戻ったら、あれもしたい、これもしたいと美月はいつか来るその日を夢見ながら、勉強とバイトに明け暮れていた。
たまにリフレッシュしたいと思えば、マンションの隣の小さな公園にゆく。小さな木のベンチに座って真夏の陽光に照り輝く樹々の緑を眺め、頭上から降ってくる蝉時雨に耳を傾けているだけで、暑さも忘れて身体も心も軽くなってゆくようだった。
たまにリフレッシュしたいと思えば、マンションの隣の小さな公園にゆく。小さな木のベンチに座って真夏の陽光に照り輝く樹々の緑を眺め、頭上から降ってくる蝉時雨に耳を傾けているだけで、暑さも忘れて身体も心も軽くなってゆくようだった。