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サイドストーリー2
第8章 横浜ホールディング④
「紗弥ちゃん、誕生おめでとう~!」

俺と金子は同期の森川に娘が誕生したのを祝って
カチャンとグラスを合わせた。

「本当におめでとう。良かったな」

「武田さんは?元気なのか?」
金子が森川の奥さんを心配して言ったのに、森川はその言葉にムッとした。
「武田じゃなくて、森川!」

森川は6年間、結婚していた事を会社では隠していて
俺たち以外にノロけられなかったので、公表してからは武田さんの呼び方に敏感だ。

「え。じゃぁ、紗江子さん?うわ。俺ってば武田さんを名前で呼んじゃってる!」
「金子が紗江子さんなんて呼ぶな!」
「じゃぁ、なんて呼べばいいんだよ?」

新入社員だった俺たちにとって、秘書課の武田さんは綺麗で仕事が出来て
女性総合職の中でピカイチにカッコいい存在だった。

そんな彼女と実は結婚していると、同期の森川に打ち明けられ
俺と金子は初めは信じられなかった。
が、二人の画像を見せられ、信用せざるを得なかった。
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