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サイドストーリー2
第12章 出会いは必然に
「そう言われたのよ!一緒にプレゼンをしたライバル会社の人に!」
「・・・・ふ~ん」
「私、大川さんがこのプロジェクトに参加してるって知らなかったから
いきなり言われて何も言い返せなかった!」

そこまで一気に言った私に困ったように笑いかけ
手を引いてリビングのソファーまで連れて行った。

私を膝の上に座らせて、髪を撫でながら優しく話しだした。

「落ち着け。陽菜。わかったから」
「うっっ・・うっう」
「泣かなくていいから。大丈夫だ」

そう言うと私が落ち着くまでゆっくりと髪をなでた。

「俺は仕事でそんなことはしない。陽菜がプレゼンに参加するとわかった時点で
選考委員を降りたよ。どんなに公平に審査しても
陽菜が何かを言われるのは目に見えているから」

「・・・・うん」

「プロジェクトの方にもそのことは伝えてある」
「うん」
「本当は俺がこの仕事を降りれば良かったのかもしれないけど。
もしかしたら一緒に仕事ができるかな。と思ったんだ」
「うん」

「自信を持て。自分の仕事に。そんな陰口を言われない仕事をすればいい」
「うん」
「横浜ホールディングは俺とは関係ないところで
プレゼンを勝ち取ったんだよ」
「うん」

「おめでとう。陽菜」

私は大川さんにギュッと抱きついて泣いた。

プレゼンを勝ち取ったのはすごく嬉しいことなのに。
大きなプロジェクトだから嬉しいはずなのに。
変に水を差されて喜ぶことを忘れていた。

「うん。大川さん、ありがとう」

「さ。夕飯にしようぜ!絶対陽菜が勝つと信じて
お祝い用に作ったんだ」
「・・・・ありがとう」

「おめでとう」

そう言って大川さんは私にキスをした。


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