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サイドストーリー2
第14章 Christmas2014
*:・'゜☆。.:*:・
「悠久の恋の果てに」
「みさを。おいで」
ゆうげが終わったあと、そっと坊ちゃんが私を呼んだ。
坊ちゃんについて部屋に行くと
電気もつけない部屋に月明かりが綺麗に窓から差し込んでいた。
「これ」
坊ちゃんが差し出したのは手のひらに乗るぐらいの
小さい小箱だった。
「綺麗な箱ですね」
それは繊細な細工が程されていて見ているだけでウキウキするような小箱だった。
「ほら。ごらん。このネジを回して」
横についている小さなネジを回すと音が鳴り始めた。
「わ!オルゴウル」
「うん。伊太利亜の伝統工芸品らしい。綺麗だろう」
「はい」
「クリスマスプレゼントだよ」
「・・・え。ダメです!いただけません!」
私がそれを坊ちゃんの胸に返すと悲しそうに笑った。
「これぐらいしかしてやれないから。
さみしい時は、この音を聞いてくれよ」
月明かりの夜、ゆっくりゆっくりとその音楽はいつまでも私の手元で流れていた。
「大久保さん。あのオルゴウル。覚えてますか?」
「もちろん」
クリスマスの夜。
月明かりの中で私たちのあいだにそれ以上の会話はいらなかった。
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「悠久の恋の果てに」
「みさを。おいで」
ゆうげが終わったあと、そっと坊ちゃんが私を呼んだ。
坊ちゃんについて部屋に行くと
電気もつけない部屋に月明かりが綺麗に窓から差し込んでいた。
「これ」
坊ちゃんが差し出したのは手のひらに乗るぐらいの
小さい小箱だった。
「綺麗な箱ですね」
それは繊細な細工が程されていて見ているだけでウキウキするような小箱だった。
「ほら。ごらん。このネジを回して」
横についている小さなネジを回すと音が鳴り始めた。
「わ!オルゴウル」
「うん。伊太利亜の伝統工芸品らしい。綺麗だろう」
「はい」
「クリスマスプレゼントだよ」
「・・・え。ダメです!いただけません!」
私がそれを坊ちゃんの胸に返すと悲しそうに笑った。
「これぐらいしかしてやれないから。
さみしい時は、この音を聞いてくれよ」
月明かりの夜、ゆっくりゆっくりとその音楽はいつまでも私の手元で流れていた。
「大久保さん。あのオルゴウル。覚えてますか?」
「もちろん」
クリスマスの夜。
月明かりの中で私たちのあいだにそれ以上の会話はいらなかった。
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