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いつもの場所で
第2章 月灯りの下で

矢作拓哉、34歳、B型。


それだけは分かった。



席に戻ると矢作さんは、携帯をさわっていた。


カウンターの椅子が少し高く、身長の低い紗江が少し手こずっていると、はいっと右手を差し伸べてくれた。


「有難うございます。」



12時少し手前になっていた。


「そろそろでよか」

「はい」


紗江のコートを不器用に着せてくれた。

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