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いつもの場所で
第2章 月灯りの下で

タクシーに乗り込んで、後ろを振り向いた。

軽く手を振る彼の姿があった。



するとすぐに携帯のバイブがなった。


LINEだ。


送り主は矢作拓哉。


『かわいいからタクシーのおっちゃんに襲われたらあかんで。お金はポケットに入ってるから。おやすみ』



愛想も何もない文章。


ただ、そこには勘違いかもしれないけど、愛が溢れていた。


紗江の心は掻き乱された。


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