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いつもの場所で
第3章 休暇 そしてはじまり

帰りのエレベーターの中、紗江はキスをせがんだ。

「いっぱいしたやん」


とクールに返されたが、マスク越しにキスを返してくれた。


夜道を手を繋いで駅まで歩いた。

会社のどの人に見られるか分からないので、危険極まりない行為だった。


駅に近づくにつれて、
「ここからはダメ」と言って手を離された。


紗江は素直に頷いた。


別れ間際、おやすみなさいと紗江は告げた。


矢作はとても下手くそなバイバイをして、2人は別れた。




矢作と初めて交わった日だった。



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