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理想と偽装の向こう側
第27章 *番外編* あの日から…
「ははっ!それは無いよ。ちょっと片付けなきゃいけないことがあったから、思いの外時間かかって…ホント、ごめん」


こんなことなら、側に居てあげれば良かったかな…彼女の背中をポンポンと擦りながら


「俺から香織んを独りにすることは、しないよ…こないだも言ったけど、香織んが独りになりたかったら、香織んが選んでいいから…」


そう言いながらも絶対離したくないと思うと、自然と抱き締める腕に力がこもる。


自分の腕の中だけは、安心させてあげたい。


香織は子どもが親を見付けたかの様な表情になると、一気に涙が瞳から零れ落ちた。


「ふっ…ひっく…」


「あ~!香織ん、凄いことになってる~」


可愛いっ!


俺の中で一喜一憂している香織が、可愛くて仕方ない。


思わず、笑顔になっていた。

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