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理想と偽装の向こう側
第6章 予測不可能
「本当に、楽しかったです!今日は誘って頂き、有り難うございました!」


暢くん、本当に楽しそうだな…
さっきのこと説明するのが心苦しくなってきたよ。 


「あのね…暢くん…」


「香織!ここで大丈夫よ!」


「えっ?あっ…でも」 


「また水曜日にPiazzaでね。今日は素直に楽しかったわよ」


そう言って微笑む黎子の眼からは、『任せて』と聴こえた。


「…ありがとう…また一緒にパーティーしようね」


「はい!香織さんまた!小田切さんに宜しくです!」


いつものコンパスお辞儀をして、暢くんと黎子は帰って行った。


帰って片付け手伝わなきゃ。


橋を渡りながら、すっかり陽が落ちた川辺を見詰める。


ここから始まった『偽りの同棲』


初日から、小田切さんペースで、楽しい毎日に馴染んでしまってる。 


「また…か…」


次もあるといいな…と、期待と不安を抱えながら、マンションへと戻った。


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