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理想と偽装の向こう側
第3章 初めての夜
「ん?普通彼女がいたら、香織んに同棲なんて申し込まないでしょ」


ま…確かに…普通だったらね!
でも、普通じゃないし!


更に突っ込んでみた。


「でも、小田切さんモテると思います。元カノさんとかは、いたでしょ?」


「ありがとう~モテるかは、分からないけど…付き合ってた人は、いたよ。」


いつ頃の話しかは、まだ分からないけど、余り気にしてなさ気にサラリと言われた。


「美人さんでした?」


「美人というよりは、可愛らしい人だったよ」


「小柄な感じ?」


「うん、小柄だった。線も細かったし」


「…素直な…でした?」


その問いに小田切さんはちょっと目を丸めたけど、直ぐに柔らく微笑んだ。


「あ~思えば、素直そうで素直じゃなかったかも…」


「そうなんですか?!」


聞いておきながら一緒に微笑んでしまう。


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