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第11章 亀裂

「チャチャララ～！」


メールの着信音が鳴るが、見る気力が無かった。


嘉之のマンションから、何とか帰り着いた途端、力尽き倒れ込む。


明日、仕事休もうかな…。


「チャチャララ～！」


いつになく、メールや電話を掛けて来てるな…。　


しばらく距離を置いた方がいい気がする。


嘉之たちがプロジェクトで直接関わるものは、この先特にないし、後は発表会くらいだろうが、かなり先の話だから少しは落ち着くだろう。


「チャチャララ～！」


…電源落とそうかな…。


嘉之以外も連絡あるかも知れないから、そこまでは出来ないか…。


「はぁ…」


恐る恐る携帯の履歴を見たが、プチホラーかサスペンスだった。


「かなり、キレてるだろうな…」


大丈夫かな…。


やはり、心配になってくる。


嫌いじゃない…

でも、辛い…。


とにかく今は、頭を冷やそう…。


そして、携帯をマナーモードに切り替えた。