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第11章 亀裂

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「…汗すっげ…シャワー浴びてくるわ…」


嘉之は一言残して、お風呂場に行った。


うつ伏せのまま指一本動かすのもしんどいくらい、体力が尽きていた。


本当に容赦なかったな…
鳴かせるっていうより、本気で泣いてしまった。


どうしても一気に起きた色んな事が飲み込めず、元木さんの言葉や嘉之にされた事が、抱かれてる間に何度もフラッシュバックしてきて、恐怖心を越えて強迫観念にすらなってくる。


身体の感覚と心が付いていけず、息苦しくて辛くって、何度止めてと懇願しても、逆に嘉之は容赦なく私をとことん追い詰めた。


挙げ句


「二ヶ月半…溜まってた分だよ…」


言い放つ始末…。


それにつくづく実感させられたこと…
嘉之は、私の全てを自分に色に染めたいんだ…。


紙一枚の隙間もないくらい…
全部を支配して、嘉之だけしかいない世界に住まわせたいんだ…。


そこに私の意思も人格も存在はしていない…。