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理想と偽装の向こう側
第11章 亀裂
発表会はアーティストは簡単な紹介だけで、隅っこにいたが裏方の私は話す機会がなく、慰労会で少し話せるチャンスがあるだろうと思っていたが…

考えは甘かった。


お互い関係者に囲まれて全然接点がないまま、時間だけが過ぎる。


時たま嘉之の方を盗み見てたけど、目が合うこともない…。


私は、安岡さんの

『見守っててあげて』を信じるしかなかったが、嘉之本人から言ってもらいたい…。


そしたら、頑張って待つ決意も出来たのに…。


「これも依存だよね…いかん!いかん!」


自分の人生だ…
自分で決めて、自分で責任取るんだ!
じゃないと、嘉之を責めてしまう…

それも、違う気がしたから。


でも、状況はちょっと知りたいかも…
私は余り使いたくない、奥の手を使った…。


正に『後悔、先に立たず』とは、このことだった…。

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