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理想と偽装の向こう側
第12章 板ばさみ
ショッピングモールは、結構な人混みだった。


出来たばかりで話題に釣られて来てる人や、アウトレットで掘り出し物を見付けようとしてる人などが、いるんであろう。


それにしても…
二人きりで外食だって珍しかったわけだから、こうやって手を繋いでウィンドウショッピング何て、夢のまた夢みたいなもんだ…

なんで、いきなり…
裏があるんじゃ!


すっかり疑いの目でしかみれなくなってる自分が、悲しいな…。


一緒に歩いてて改めて思う、この長身と線の細さと漂わする雰囲気か…派手さは無いのに、嘉之は人目を惹いてしまう。
チラホラと、女子の視線が向けられていた。


これが、今後役立っていくといいけど…。


「あっ…嘉之、あれ似合いそうだよ」


「あ~悪かないな…」


片想い時代は、嘉之に何回か洋服も買ってあげた…と言うか貢いでた。


いつもTシャツだったから楽だったけど、デザインによってはユニセックスも着れちゃうし肩幅はあるから、メンズのSサイズじゃキツかったりと、本当に難しくて毎回唸りながら選んでたな…。


ふっ…懐かしい思い出だわ…。


最近は、服装も大人っぽくなったけど。

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