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理想と偽装の向こう側
第12章 板ばさみ
なんにがなんだか、になっている!
それも、サイズいつの間に!?


「香織…手出して」


「あっ…うん…」


私は右手をのそのそと、前に出すと


「左っ!」


嘉之は、左手を引っ張って薬指にはめた。


「あら~素敵!お似合いですよ!」


美人店員さんは、輝くばかりの笑顔で言う。


それ、誰にでも言ってるでしょ!!


あぁ…
嘉之もこうゆうところは、女性慣れしてるのかも…
伊達に遊んでなかっただろうしな…。


なんだかもの凄く、微妙な気持ちが湧いてくる。 


その後、雑貨やインテリアのお店も周り、やっと帰ることになった。


ニュービートルがアパートの来客用駐車場に入ったのは、17時くらいだった。


そんなに遅くはならなかったことに安堵し、アパートに戻って小田切さんに連絡することに、頭がいっぱいな時…


「香織…この後、時間ないの?」


えっ…嫌な予感がする…
穏便に済ませないと。


「ごめん…この後、用事あるから…なんで?」 


「半年会えてなかったから…したいんだけど。」


「へっ?」


なにを?


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