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理想と偽装の向こう側
第14章 時限爆弾
両手を小田切さんの肩に持っていき、少し背伸び加減で、首もとに顔を近づけ胸にくっつく。


自分でも、自分じゃないくらい大胆だと思う…。


小田切さんの優しさが、私を付け上がらせていく。


私の首に小田切さんが顔を埋めてきたから、頬と首もとの肌が密着し、小田切さんの体温か伝わってドキドキした。


もっと、触れて欲しい…。


私の本能が、疼きだす。


「小田切さん…」


甘めの声で、名前を呼んでしまった。


「香織ん…」


小田切さんが顔を上げ、顔に近づけた。


筋が通った少し高めの鼻先を私の鼻先にくっ付ける。


顔を傾けたら、直ぐそこには小田切さんの唇に触れそうな位置だ…。


ドキッとした…。


瞼を閉じて微かに感じる、小田切さんの吐息に溶けそうだった…。


「香織ん…」
「はい…」


小田切さんが、しゃべると息がかかる…。


「ビール…飲もっか…」

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