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理想と偽装の向こう側
第14章 時限爆弾
「嘉之なんかしてきたの?」


ラフな格好に着替えた小田切さんが、ビール片手に直球で聞いてきたので、飲んでたビールを吹きそうになる。


「ぐふっ!」


「大丈夫?これ、旨いよ香織ん!ビールに合うね~」


「味…どこが違ったの?」


「ん~ほんの少しだけど、塩味が効いてたからさ…鼻詰まってたのかなって」


ニッコリ笑いながら、さらっと話す。


あぁ…それだけで…
そんなこと思うかな…普通。


小田切さんが、普段ちゃんと味わって食べてくれてるのを実感させてくれた。


そんなトキメキとは、反対に今日の嘉之とのことは、流石に話せない…。


「大丈夫だったの?」


話が戻る。


「あ…はい…久々に連絡来たから不安になって…ウチの会社にも顔利くから、何かしてくるかもしれないから…」


もう、されたけど…。


「会社巻き込むのか…あり得ないな…」


小田切さんも流石に、渋い顔をした。


「手段選ばないから…」


本当に容赦ない…拉致監禁も、リアルになってくるよ…。
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