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理想と偽装の向こう側
第14章 時限爆弾
日曜日

微睡みの中にほのかに磯の香り…。


「ん…いい…匂い…」


「香織ん!朝食整ってるよ!」


朝食…味噌汁…美味しそう…。
ん?


「朝っ!!」


「おはよう~ご飯冷めちゃうよ」


小田切スマイルが、一段と眩しく感じる。


あぁ…朝起きたら、好きな人の笑顔が見れるって幸せだな…。


「はい…顔洗って来ます…あっ!開けてない!」


浴衣が綺麗で開けてなく、寝た時のままだ。


「そやろ!」


小田切さんは得意気に、どや顔をしていた。


朝食は新鮮な海の幸が並べられ、干物や青海苔など絶品だった。 


仲居さんがお櫃に入ったご飯を様子見て、


「お代わり出来ますので。」


と、奨めてくれたけどお昼には、30cmの海老フライが待っていたから、朝食も食べ過ぎないように控えた。


「もう大丈夫です。凄い美味しかったです。やっぱり鮮度が違いますよね!」


キラーン!
小田切フラッシュ炸裂してますよ!


「良かったですわ~!残ったご飯、宜しかったらおむすびにしてお持ち帰られますか?」


「出来るんですか!嬉しいです!」


更にフラッシュが炸裂してますよ!


仲居さんの瞳は、確実にハート型になっていた。


仲居さんは、お櫃を持ってウキウキで部屋を出て行った。


「親切だね~!この旅館!」


「はぁ…そうですね~」


ズズズ…私は味噌汁をすすりながら…

小田っち、あなただからだからですよ~

と思った。

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