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理想と偽装の向こう側
第15章 発動
「うっ…気持ち悪い…」


生理中とか酷い時はなるけどな…
後、貧血の時…
そろそろ、生理始まり頃だから鉄剤でも買っておこうかな…

あれ…そういえば…。


「生理…遅れてる…」


瞬間、グラッと目眩がした。


基本的に、そんなに周期がズレることはない方だが、一週間は遅れていた。


「いや…一週間くらい…たまには、遅れることもあるよ…」


精一杯、現実に起ころうとしてることを否定する。


そう自分に言い聞かせる矢先に、吐き気が襲う…


「うっ…」


急いでトイレに駆け込み、込み上げる胃液を吐き出した。


「ガハッ!ゴホッ…」


呼吸がしづらい。


「はぁ…はぁ…」


嘘だよ…。
違う…誰か違うって言って!


次々に、脳裏に駆け巡る。


『小田切さんと嘉之…どっちの子どもを産みたいと思うの?』


「嫌…」


『出来てもいいじゃん、子ども欲しいし…』


「違う…」


『アイツ絶対、渡辺さん離さないと思うよ!』


「小田切さん…!」

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