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理想と偽装の向こう側
第15章 発動
「香織ん!せっかくだから、スーパー一緒に行こう」


「はぁ~い…」


何の悪戯が働いてるんだろう…。


瞬間、胃に痛みが走る。


うっ…嫌な感じだな…
何事もなければいいんだけど…。


胃の辺りを擦りながら、小田切さんとスーパーに向かった。


材料を買い込み、マンションに帰って夕飯の準備をする。


小田切さんはタブレットを見易い位置に置いて、レシピを見ながら


「これとね、これとか美味しそうじゃない?」


「あ~!ホントだ!好き~!」


「でしょ!香織ん、好きそうだなって思ったんだよね~」


ニッコリ微笑みながら、サラッとそんなことを言ってのける。


小田切さん…
キュンキュンしちゃうよ…。


お腹のことも嘉之のことも無ければ、こんな毎日が心から楽しく過ごせるんだろうにな…。

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