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理想と偽装の向こう側
第15章 発動
ドキッ!!


核心に触れてきた。


「か…隠してないよ!」


「本当に?」


今度は向き合うように身体を小田切さんの方に向かせ、私の顔を両手で挟んで至近距離で顔を近づけ、再度問いかける。


「本当…?」


「ほ… 本当だよ…」


嘘つく罪悪感に身が縮み瞬間、お腹に激痛が走った。


「痛っ!」


「香織ん!?」


「痛いっ!」


何だろう…

言葉にならないくらいの激痛が胃に襲ってきた。


「香織!?」


「あぁぁっ!!」


小田切さんが急いで抱き締め支えてくれたけど、痛みで立っていられなくて床に座り込む。


「くっ…」


下腹部ではない…
胃がひっくり返りそうだ。 


「香織!どこが痛い?」


「い…胃が…」


「胃…」


瞬間、小田切さんが固まったが直ぐに我に返って 


「救急車…救急車呼ぼう…」


え…それは嫌だ…。


病院に運ばれたら、絶対に結果が出る。


もし妊娠してたら、小田切さんにバレてしまう。


「い…嫌…大丈夫だから…つっ!」


痛みで、冷や汗が出る。


本当は大丈夫じゃないけど、知られたくない。


「香織!大丈夫じゃない!救急車呼ぶから!」


「嫌ぁぁぁっっ!!」


私はありったけの声を出して叫んだ。

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