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理想と偽装の向こう側
第16章 懐古
水曜日

俺はまた、滝島家の見舞いに来させてもらった。


一応、前日に滝島には言っておいた…

意味深に笑われたけど。 


今日は仕事帰りだったから、滝島に車を便乗させてもらい病院に向かう。


「志信くん!今日のお見舞いの目的は何かな?」


ニヤニヤしながら、楽しそうに滝島は聞いてきた。


腐れ縁も、こうなると厄介だな…。


「名前…決まったの?」


「くそ!話題かえやがったな!」


「お前もたまに、やるじゃんか」


それも、変な方向に持っていくパターンが多いし。
滝島は、駐車場の空きスペースを探しながら、


「とりあえず…5個まで、絞った!」


「へぇ~頑張ったな」


「そうだろう!お蔭で最近寝不足だ!」



本気かよ?
それがあり得そうで怖いな。


「お前…父親として、合格か不合格か微妙だよな…」


「何だと!お前こそ、いつも俺を苛めると、ヒナちゃんに悪どいって吹き込むぞ!」


「あぁ!?なんで水越さんが出てくんだよ!」


「何となく~!」


ニヤリと笑う滝島…

こいつっ!

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