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理想と偽装の向こう側
第17章 希望と絶望
楽しい時間は、あっという間だ。


DVDを観て光花が夕飯に肉じゃがを作ってくれて、他愛ない話をしてる内に、もう土曜日の夜が終わろうとしていた。


今日は、ゆっくり寝かしてあげないと…

自制心を効かせながら


「明日は、いったん自分のアパートに戻る?」


お昼頃から出勤だから、帰るなら朝方早めに送って行こうと思っていた…

けど光花は、


「荷物用意して来てるからギリギリまで居ていいかな?」


怖ずおずおずと、そう言ってきた。 


「ギリギリ?いいよ、じゃあ病院まで送っていくよ。ゆっくり休んでな」


今日は1日まったりしてたとは言え、昨晩の筋肉痛もまだあるだろうし…。


光花の分の布団を敷こうとしたら


「…一緒に寝ていい?」


「へっ?」


俺は布団を持ち上げようとしながら、振り向いた。


「一緒って?」


今更ながら大人気ない質問をしてしまって、光花の顔見て後悔した。 


モジモジしながら


「志信さんと…同じベッドで寝ていい?」


…自制心!!


何故か一番に、その言葉が浮かんだ。

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