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理想と偽装の向こう側
第18章 永久と再会
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「光花~起きてる~?」


今日も何とか、見舞いの時間にギリギリ間に合った。


「あっ…志信さん…お疲れ様」


光花は抗がん剤の影響もあって、ただでさえ華奢なからだが痩せ細り、髪は抜け落ち、帽子を被っていた。


本当はご飯もまともに食べれないくらい毎日辛いだろうに、いつも笑顔で光花は迎え入れてくれる。


励ます側な筈なのに、いつも逆に励まされる…。


「光花、見せたいものあるんだ~」


「えっ!何だろう~」


ベッドの横の椅子に腰掛け携帯の写メを確認し、光花に差し向けた。


「滝島の娘さん…星叶ちゃん、大きくなったろ!」


光花は、画面を見て嬉しそうに微笑んだ。


「本当だ~!大きくなってる!可愛い~!」


顔を近付け一緒に覗き込みながら、画面を変える。


「ほら、これ光花が編んであげた靴下。記念に飾ってあるんだって」


可愛くアンティーク調にディスプレイされてれた壁に、その靴下は一緒に飾られていた。


「へへ…嬉しい…星叶ちゃんの思い出の一つになるかな~」


思い出…。

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