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理想と偽装の向こう側
第18章 永久と再会
滝島にぶつけても仕方ないのに、責めて欲しいと思ってしまう。


「はぁ…気持ちは分かるが、自分を責めて自虐にハマってヒナちゃんが喜ぶと思ってないだろ?」


滝島らしいな…
きっと、みんなそう言うだろう…。


「他には?」


「他…?」


「不安な事も辛い事も全部聞いてやるから、正直に吐けよ!」


不安な事?
辛い事?


そんなの光花の『死』を認められない事だ…。


認めたら、自分は壊れてしまうんじゃないだろうか。


「手紙…光花が、俺に手紙残してた…」


「読んだの?」


「まだ…」


「何でだよ?ヒナちゃんがおまえの為に必死で書いたんだろ!読んで受け止めてやれよ!」



「そうだよ…そう思う反面…怖いんだ…受け止められる自信がないんだよ…」


「それでも読め!俺等は、そんなに強くない!カッコつけなくていいからズタズタになっても、ヒナちゃんの思いを他に誰が受け止めてやれんだよ!」 


滝島は泣きそうな声で、俺を奮い立たせる。


「ごめん…有り難う…残されたもんの役目だよな」


「あぁ…おまえなら出来るよ…」


「過大評価だな…」


「いや…本音だよ」


そして俺たちは、残り少ない焼酎のグラリをカチンッと鳴らした。


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