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理想と偽装の向こう側
第19章 罪悪感?
土曜日

浅い眠りのまま一晩が経ち、重い頭を抱えてベッドから出た。


小田切さんと光花さんの過去に拘ってはいない…。


重く苛むのは、小田切さんの私への優しさは、
『傷の舐め合い』に引き摺り込んだとの
『罪悪感』でしかない事…。


最初は、確かに疑問と当惑ばかりだったけど…
余りにも小田切さんと過ごす時間は甘く優しくて…

私は、小田切さんに心惹かれた…。


今は、ハッキリと好きな気持ちがある。


言ってしまったら、どうなるんだろう…。


そうしたらやはり、この同棲は終わってしまうんだろうか。


光花さんの代わりで構わない…

昨日本気で言った。


でも、小田切さんは


『香織…』


名前を呼んでくれた…。


嘉之の事が落ち着くまで、同棲を止めようとした時も


『このままさぁ~二人で誰も知らないところに、行っちゃおうかぁ~!』


全てを投げ捨ててでも、救いだそうとしてくれた…。


全部『罪悪感』なの?


時計を見ると、針は5時を指していた。

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