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理想と偽装の向こう側
第19章 罪悪感?
「香織…なんで酒強いのに避けたの?」


勘づいた…。


「体調悪いって言ったじゃん…」


「どこが悪いの?」


何よ…もう~イチイチ!


「嘉之には、関係ない!」


嘉之は一瞬黙って…


「出来たの…子供?」


「なっ!」


私は、一気に感情が爆発した。


怒りや、不安、悲しみ、絶望感…

ありとあらゆる負の感情が混ざりあって、狂しくなりそうで我慢出来ずに叫び出す。


「煩いなぁ!嘉之には関係ない!ほっといてよ!」


「香織…落ち着いて」


嘉之の手が頬に触れ、妙に穏やかで嬉しそうな声が怒りを増幅させる。


「嫌ぁぁ!触らないでっ!私の事、何一つ分かってない癖に!」


「香織…大丈夫だよ。不安だったんだろ」


錯乱する私を優しく嘉之が、抱き締める。


「離して!自分の事ばっかり!!」


「香織…身体に良くないから…」


その言葉に、一瞬戸惑う


「ふっ…ひっく…助けて…」


涙が、頬を伝う。


助けて…
小田切さん…。


糸が切れた様に嘉之の腕の中に、再度意識を落としていった。

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