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理想と偽装の向こう側
第19章 罪悪感?
「あっ?何だよ!」


嘉之は明らかに、不機嫌になる。


「確かに最近、香織は体調も悪かったし様子もおかしかった。飲み物や食べ物も凄い気を使ってたんだよ」


小田切さん!
そんな事、暴露してしまっては!


嘉之を見やると、割りと普通に


「だから?何でも知ってますって~事?でも、お腹の子の父親は俺だよ」


「例え君の子でも構わないよ。香織の子なら俺が父親になっても」


「えっ…」
「なっ!」


小田切さん…本気なの!?


「言ったろ…君たちの6年間ごと引き受けるって」


ニッコリ笑う小田切さんに、嘉之はキレた。


「そんなの許さねぇよ!俺の子だぞ!俺たちの6年は、俺たちのもんだ!」


「嘉之っ!」


止めてよ!
あんたが都合いいだけじゃない!


小田切さんは


「でも…それを手離したのは君だよ。大事な人はね…生きてる限り離れちゃいけないんだよ」


そう静かに真剣に、言った。


「絶対に、後悔する…」

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