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理想と偽装の向こう側
第20章 さよなら
「さぁてと~香織、何か飲む?もうアルコールも大丈夫なんだろ?」


「…分かったの…」


「まぁ~流石にね。でも、それで終わったと思うなよ」


「どうする気?目的は何よ…」


「目的~?」


嘉之は、冷蔵庫から取り出した缶チューハイを一口飲んで。


「なんて事ない…小田切と別れてイタリア来れば良いだけだよ」


「はぁ~だから…小田切さんとは何でもないって言ってる…なっ!」


いきなり、テーブルに写真や書類がバラ蒔かれた。


その写真は、私と小田切さんが写っている。
興信所とか、使って調べたんだ!


「何これ!?」


「聞きたいのは俺だけど…まさか一緒に暮らしてるとはな」


嘉之の顔が、何とも言えない表情で歪む。


「こんなの調べて、どうするのよ!」


「人ってさぁ~善人とかエリートが転落する姿見るの結構、好きだよね…」


「はぁ?」


嘉之は、写真一枚を指で挟んで


「たった一枚で…人生狂わせる事…出来るよな…」


ドクンッ!


「ちょ…何する気…」

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