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第20章 さよなら

「誰だよ…」


怪訝な目線をドアに向ける。


「ガチャン！」


ドアが、開いた！


そう言えば安岡さんが出て行った後、鍵を閉めてなかった。


部屋に入って来た人物は…


「安岡…」

「安…岡さん…」


安岡さんは二人を交互に見て、私の姿に眼を見開いた。


「なっ！渡辺さん…」


涙を流して脱いだカーディガンが無造作に床に置かれて、胸元のブラウスはシワが寄っている状態は、異様さを物語ったみたいだ。


「嘉之…話し合いするんじゃなかったのか？」


「…してたよ」


「話し合いで、渡辺さんがこんな状態なのおかしいだろ！また無理矢理、言い聞かせようとしたんじゃいか！」


嘉之は冷たい視線で、安岡さんを見ながら


「同意だよな…香織？」