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理想と偽装の向こう側
第20章 さよなら
「そんな簡単には…消えないよね…」


「えっ…」


「嘉之との思い出…」


小田切さん…。


「香織んは…光花の思い出ごと、俺を受け止めてくれてるのに…俺も6年間ごと引き受ける言ったのにな…」


眼を細め、ジッと見詰められ


「嘉之…ある意味凄いね」


自嘲的に笑った。


ガンッ!


不味い!これはでは告白前に、暗雲が立ち込めてしまう!


『楽にしてあげなさいよ』


黎子様の声が、聴こえた!


告白しなきゃ!


シチュエーションやパックや下着に拘ってる場合ではない!


「おっ!おっ!小田切さん!」


「香織ん…来て…」


「はい?」


今から告白~と思いきや、小田切さんは切なそうな瞳で、両手を伸ばしている。

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