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理想と偽装の向こう側
第22章 約束
多分お互い無意識に、手を繋いで本当に他愛ない話をしながら歩いていると…

聞き覚えのある声が聞こえた。


「あ~!こんなところで、信リンと香織んのデート発見!」


むむ…この声は…。


小田切さんを見上げると、眉間に皺を寄せて、眼を見開いて固まってる…

余程、絡みたくないみたいだ。


「滝島…」


致し方無く振り向くと、滝島さんはニヤニヤしながら指差して


「な~に仲良く手を繋いでるのぉ~!」


はっ!しまった!


急いで手を離し、ばつ悪く滝島さんを見ると、その横に美人で優しそうな女性と可愛らしい女の子が居た。


奥さんと、愛娘の星叶ちゃんだ!


「あら、小田切さん久し振り!」


「お久し振りです」


いつもの穏やかな笑顔になっていた。


「あら!彼女さんとお買い物?」


小田切さん…どうするの?


「そう!渡辺さんて言うんだ!」


えっ!滝島さん!?

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