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第7章 旅行又は逃避行

朝のじゃれあい交わりのあと、朝の温泉町をぶらぶらと歩く。
情緒ある古い町並みを歩いていると文学の世界の登場人物になったような錯覚さえしてくる。

カランカランと小気味よい下駄の音を鳴らしながら川の脇の当てもなく散歩をした。
春の青空に湯煙が昇るのを見ているとなんだかのどかな気持ちになる。
こっそりと人目をはばかる程度に軽く手を握る。

浴衣姿で並んだ二人は恋人同士というにはやはり見た目に年の差がありすぎた。