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第12章 結婚

『明けましておめでとうございま〜す！』

『おめでとう！』

『おめでとう！』


新年を迎えた。

頃合いを見計らって、雑煮を配る。

仕事の都合で田舎や実家に帰れない連中。
せめて、正月気分を、と、毎年マスターは振る舞う。
それを食し、てんでんばらばら店を後にする。

マスターも正月一日の午後から三日までは休む。

数年前まではマスターにも家庭があったから、家族水入らずの三が日を過ごしていた。

今年からは、あたしと過ごす正月。

家に帰って、あらためて、
『明けましておめでとう！』
『おめでとう！今年もよろしくね！』

あたし達は、屠蘇散(とそさん)をいただいた。

『マズっ…』

『確かに、美味くはないな（笑）』

それから深い眠りに入った。