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あなたとふたり
第10章 『友達』なんかじゃないだろ
「おい。康太。
ちょっといいか。」


「男と帰る趣味はないけど
遥香は玲奈んちに泊りだから仕方ないな」



暗い夜道を男が2人並んで歩いている。




「康太、お前はいいのかよ。」

「なんだよそれ。」

「遥香だよ。」

「譲ってくれるわけ?泣けるね〜」

「やるか。ボケ」


「つーか、お前のものでもないだろ。まだ」



「………………」



「優。俺は遥香が、好きだよ。

んそんでもって、

遥香も俺が好きだろうな」


「はぁ!?!?」



「って…思ってた。」


「…いや。間違っちゃいない。」


2人はしばらく黙ったまま歩いた。




「俺たちは多分一生
『幼馴染み』だよ。


でも優。


お前達は…」


「友達だよ。」


「友達でいいんだ。

キス出来なくてもいい…

抱けなくてもいい…


そばにいれたらいい。


遥香があんなにお前との関係を
崩したくないと言っていたのがわかったよ。


遥香も俺も所詮
弱虫だな。

壊せないんだよ。

『友達』を。」
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