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あなたとふたり
第15章 心は空っぽ

「優ちゃん!!!!」
私は無意識のうちに
優ちゃんを呼び止めていた。
優ちゃんが、振り向き
私を真っ直ぐ見ている。
「………離れ……いで…」
「遥香…?」
「優ちゃん…
私から
離れていかないで…」
私の後ろから
遠ざかる足音が聞こえた。
……康太……っ。
ごめんね……
ありがとう……。
遠ざかる足音と
私へと近付く足音。
「…アホ。
離れるわけないだろ。」
また涙が溢れる。
「優ちゃ…ん」
誰の女の人の横にいても
見ることはなかった優ちゃんの笑顔。
それが、
優ちゃんの私への
たった一つの答え。

