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あなたとふたり
第16章 信じるものは自分の心
「康太?どうしたの?元気ないよ?
なにかあったの?」
「…遥香。今、外出れる?」
「…え?今?」
「ゴメン。無理だよな…」
康太は今にも消えそうな小さな声で
話している。
「少しなら…大丈夫。
康太の家、行こうか?」
「いや、外でいい。
そこの公園で。
すこし…会いたいんだ。」
康太らしくない…
わかったと言い、私は近所の公園へとむかった。
何故かとても心配で
私の足は自然と早足になっていた。
ハァ…ハァ…。
息を少し乱しながら公園へと入っていく。
5月上旬ではあるが
まだ夜風は肌寒かった。
辺りを見回すと
ブランコの前の鉄棒に
寄りかかっている康太を見つけた。