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あなたとふたり
第17章 すれ違う2人。繋がる2人。
…………………………



「…落ち着いた?」



どのくらい康太の胸で泣いただろう。
目が自分でも解るくらい重かった。



「遥香…もう泣くな。」


康太の手は、私が落ち着くまで
ずっと背中をさすってくれていた。


「…ん。もう平気。」




その時、康太の携帯が鳴った。


康太は出ないつもりなのか
携帯を見ようともしない。


「…康太?鳴ってるよ?」

「…いいよ。後で掛け直す。」


しかし、着信を知らせるベル音は
鳴り止むことを知らない。


「…出て?」


私は康太から離れると
康太は少し苦笑いをして
ポケットから携帯を取り出す。


画面を見た康太はより一層
苦笑いを私に向けた。

「優だ。」



「…もしもし?


あぁ。


あぁ。



あぁ。それなら…」


康太は私へチラッと視線を向け


「俺の腕の中で眠ってる。


返して欲しければ
迎えに来るんだな。王子様。」


そう言い放った。
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