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あなたとふたり
第22章 偶然と必然
ふと、吹き抜けから一階を見た。
下の階もやはり人でごった返している。
その中に1人…
「あっ……」
いた……。
私は踵を返して
一階の人の流れを追いかけた。
すぐにエスカレーターにのり
一階へと降りる。
そして、その背中に声をかけた。
「優ちゃん…」
その後ろ姿は
こちらを振り返る。
あの口角を上げて笑う
優しい笑い方で…
「見つかっちまった…」
そう言って…。
3年前と変わらない…
大学に入ってすぐかけたパーマはなくなっていて
サラサラの髪も髪の色も…
その優しい眼差しも
何も変わらない。