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あなたとふたり
第25章 幼馴染としての優しさ
なり続けている携帯電話を無視して
私はゆっくりと立ち上がった。
ーーいつか会えるーー
それだけを…信じる事にした。
ゆっくりと重い足をあげ
一歩一歩、進んでいく。
こんなにも自分の家が、遠いなんて…。
『帰りに覚えて帰れよ』
その言葉を思い出し私は
優ちゃんの家の場所を必死で覚えた。
きっともう来ることもないんだろうけど。
しばらく歩くと、
昨日優ちゃんが立ち止まった場所まで帰ってきた。
『俺んち来る?』
と聞いた場所。
あの時、行かなければ
良かったのだろうか…
しばらくそこで立ち止まっていると
後ろから声をかけられた。
「遥香。」
振り向くとそこには
康太が立っていた。