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あなたとふたり
第28章 その手を離すな
私と優ちゃんは居酒屋を出て


優ちゃんのマンションへと向かっていた。




家までの道を覚えた5年前。
結局、足を運ぶことはなかったあの家。



あのアパートは1年前に
引っ越したらしい。




会社の近くにマンションを借り
一人暮らしだそう。




マンションみて驚いた。



「金持ち…」



「アホか。大したことない。」



高層マンションと言うに相応しい立派な建物だった。





セキュリティロックを解除すると
エントランスを抜け、
エレベーターに乗り込む。





エレベーターが止まり歩き出した優ちゃんに
いそいそとついていく。




「どうぞ」



優ちゃんが玄関のドアを開けてくれ
中へと導いてくれた。



そこには広いとしか言いようがない
リビング。


黒と茶色で統一された部屋は…
あの時とあまり変わらない。


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