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あなたとふたり
第28章 その手を離すな
ソファーに座ると
あの日と変わらず優ちゃんは
コーヒーを出してくれた。



酔いもすっかり冷めた体に
この上ない程コーヒーは美味しかった。





横に座り同じように
コーヒーを飲む優ちゃんに



「彼女は?」


と聞いてみた。



優ちゃんは、少し笑って


「アホか」


とだけ言った。





「嘘。5年間いないなんて…」



「まぁな…俺モテるんだよ?」



「あっそ。なら私じゃなくても…」




「お前じゃないとダメなんだよ…」


優ちゃんは私の声を遮った。




「誰とも付き合ってないって言えば
嘘になる…。

でも遥香以上は…いなかった。」





二人は黙り込み
静かにコーヒーをすすった。
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