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あなたとふたり
第29章 あの時のペアリング
0時も過ぎ、私たちと康太は
それぞれの家へと別れた。



でもなぜか…私の腕は
ガッチリと優ちゃんに掴まれていた。




「優ちゃん…さすがに今日は…」



「…わかってるよ」



「……週末は泊まりに行くから…」




「まだ火曜じゃねぇーか。
待てるわけないだろ。」


「あと3日じゃない…」



「…駅まで送る。」



優ちゃんは腕を離すことなく
駅まで無言で歩いて行った。



改札口を抜け振り返ると
もう優ちゃんの姿はなかった。



…怒ってたのかな…




帰りの電車の中で携帯電話を片手に
優ちゃんからの連絡を待ったが…



鳴ることはなかった。








「ただいま。」



誰もいない部屋へと入り
そのままベッドへと体を沈ませる。





この2日のことを思い出す…。



自然と笑みが溢れ、
胸の中が満ちていく。




きっともう泣くこともないんだと
そう思っていた。
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