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あなたとふたり
第29章 あの時のペアリング
朝…
重い体をあげる。
昨日の泣いたせいか
顔が心なしか腫れている。
大きなため息をつくと
化粧もあまりせず自宅をでた。
変わらない1日が始まり
電車に揺られ会社へと向かう。
いつものようにデスクへとつき
香織へ挨拶をしようとするが…
香織がいない。
出勤確認のボードへ目をやると…
有休と書いてあった。
香織がいない…こんな日に限って。
なんて重い1日の始まりなんだと心底恨んだ。
昼食は1人は寂しいので
外で食べることにした。
エントランスを出ると
後ろから腕を掴まれた。
驚いて振り向くと
息を乱した優ちゃんだった。
「…何?」
「…はぁ。…お前っ。
さっきから呼んでるのに…シカトしやがって
どんだけ走ったと思ってんだよ!」
エントランスに優ちゃんの声が響く。