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あなたとふたり
第30章 アカリ
屋上に着くと

ベンチに腰掛けて
優ちゃんは缶コーヒーを飲んでいた。


その後ろ姿に声をかける。


「優ちゃん。」



「おせぇよ。」



「何よ。まだ3分しか経ってないわよ!」



「嘘だよ。おいで。」


優ちゃんは手招きをして隣へ私を座らせる。




「これでわかっただろ?」


「え?」


「村崎さんの事。異動の事は言えなかった。

誤解させてごめんな…」


「いいよ…もう。」



「いい子だ。」



優ちゃんは私の頭をクシャクシャに撫でた。



「今日の夜は…会えるの?」


私が聞くと優ちゃんは少し黙った。



「悪りぃ。今日は打ち合わせで遅くなる…。」

「そっか…仕方ないね」



私が笑顔を作ると、優ちゃんは
切なそうな顔で私を見ていた。
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