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あなたとふたり
第30章 アカリ
今日も私は定時にあがり
まだ仕事をしているアカリさんに
挨拶をして先に会社を出た。


そのまま私は近所のスーパーへ寄り
優ちゃんのために何か作る予定だった。


特別、料理が得意という訳でもないけれど
四年ほど一人暮らしをしてきたのだから
自炊はしている方だ。



優ちゃんの喜ぶ顔が何故か想像できて
自然と鼻歌交じりだった。





優ちゃんのマンションに
1人は広すぎてとても寂しい。



トントントン…という断続的な音さえも
よく響く。



こんな広いところに一人で暮らすなんて…
私なら寂しさで死んでしまいそうと思ってしまった。




特に何かの記念日ではないけれど
ビーフシチューを作り
主人の帰りをただ待っていた。



無機質は時計の秒針の音が
響き渡り…孤独だと言うことを
知らせているかのようだった。



その秒針は何周も周り…
もう22時前になった頃だった。



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