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第31章 心が綺麗な人

「会いたくない」



そう言った後、優ちゃんの声は
震えていた。


昔から何度となく
優ちゃんには不安にさせられた。

今回だって…きっと
相手の一方的な感情なんだとわかってる。




けど、私の知らない5年は…
あまりにも大きい。







「…遥香。明日、来い。

頼む…。」



弱々しく優ちゃんが言った後、電話は切れた。





「いいのか？帰らなくて？」


横から康太が声をかけてくる。


「うん。今日は頭整理したい。」








「指輪、外すなよ。」



「ん？うん。大丈夫だよ。」





私と康太は

別々の布団で少し離れて寝た。