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あなたとふたり
第4章 男女の友情
「うん。



『友達』だよ。」




そう言わないと…

きっと全てが変わってしまうから。



「…………。




腐ってないよな?」




「ハハッ。何それ。



うん。


腐ってはないよ。



優ちゃん。」



「俺、腐らせたりしねぇよ。

いつまでも初めての経験をさせてやるよ。」



「どんな『友達』よ。」


男女の友情はありえないと玲奈は言った。


どちらかが『愛情』を持てば
それは『友情』じゃない。



でもこれは『友情』なんだよ。



「遥香。」


名前を呼ばれ、上を向いた私に
優ちゃんは優しいキスをした。



「俺は腐れ縁にはならねぇ。

腐っちまったら何もできねぇだろ。


俺は遥香をずっと楽しませてやる。」

「改めてよろしく。遥香ちゃん♪」


「なっー!!」



『友情』とは奥深く
そして脆い。

女同士の友情だって時には脆い。


男女の友情なんて

触れば壊れる程脆いものなのかも知れない。



私は笑って

「バカ優」

と呟いた。



でも、その時の私には
何故優ちゃんが
陸上競技場を選んだのか…

考えてもなかった。
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